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UFC Fight Night: MacDonald vs Saffiedine

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最後のストライクフォース世界ウェルター級王者、タレック・サフィジーヌは1月にUFC初戦を勝利し、次の対戦相手としてローリー・マクドナルドを指名した。ランカー2位を指名するあたり、サフィジーヌの元王者としてのプライドを感じる。


ローリーにしてみれば下位ランカーとの闘いにはメリットがないが、12月のジョニヘン vs ロビーのウェルター級王者戦終わらない限りタイトル挑戦の機会はなく、地元カナダ大会のメインということもあって、サフィジーヌの挑戦を了承したのだろう。

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空手をベースに、強烈なローキックを武器とするサフィジーヌ。言ってみればストライカー寄りのファイターなのだが、試合が始まればいつものローリータイム。ローリーがオクタゴンの中心を周り、対戦相手はケージを背にする。前戦のタイロン・ウッドリーもそうだったが、イケイケの対戦相手が何故かケージに釘付けにされてしまう。ローリーの絶対制空権だ。

長身から直線的に繰り出される速い左ジャブとスムースな前蹴りとミドルはローリーの代名詞だが、制空権を確保しているのは攻撃だけではないようだ。相手が前に出た分だけ、計るように左手を前にして下がる。その距離感の絶妙さと目の良さ。相手のパンチをさばく姿を見ていると、まるで闘牛士のようでもある。

それでもサフィジーヌが前進すると、長いリーチながら器用にコンパクトに折り畳んだ速いパンチが待ち受けている。“よほどのパンチ力”がないと、乱打戦を仕掛けるのは避けたい。距離は制され、インファイトに持ち込んでも対応され、打撃におり交ぜたテイクダウンもある。ローリー・マクドナルドというMMA完成型。

3Rに入り、それまでジャブで削られてきたサフィジーヌが、自分の武器であるローキックで前進する。ポーカーフェイスのローリーは顔には出さないが、ローキックは効いているはず。サフィジーヌがそう思っても不思議ではない、いい音を響かせていたローキックが何発かローリーをとらえていた。手応えはあったに違いない。逆にいえば、勝機はそれしか残されていなかったのかもしれない。

しかし、その果敢な気持ちが結果につながることはなかった。サフィジーヌの前進が功を奏して距離は縮まったが、サフィジーヌの左にローリーは右のクロスを合わせる。次の瞬間、返す刀でローリーの左アッパーがサフィジーヌの顎を打ち抜いていた。

力なく倒れるサフィジーヌにローリーは追撃のパウンドを見舞うが、必要なかったであろう。

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GSPが休んでいる今、ローリーはカナダMMA界の英雄だ。まだ25歳。完成されたスタイルと冷徹な試合運びとは裏腹に、あどけない笑顔を見せる時もある。

次戦はおそらくUFCウェルター級タイトルに挑戦する試合になるだろう。しかし、その日オクタゴンで待ち受ける王者は、鋼鉄の拳を持つジョニー・ヘンドリックスか、不屈の拳を持つロビー・ローラー。

“よほどのパンチ力”を持つファイターである。