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スポーツとファッション(セパレートとシームレス)

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ここ数年、スポーツとファッションの融合が話題に出ることが多い。


大手アパレルやSPA系セレクトショップがスポーツをテーマにブランドや業態を立ち上げたり、逆にグローバルスポーツブランドがファッション系ブランドと組んだプロジェクトを立ち上げたり。

Mountain Martial Artsもスポーツをテーマにしているので、(自分のブランドをファッションとは思っていないものの)その関係性は気になるところ。

そこで、思ったことを書いてみる。

 
スポーツとファッションの間に大きく立ちはだかる壁がふたつあって、ひとつは価格。もうひとつが素材。

例えばあなたがファッション好きだったとして、スポーツ用のウェアをセレクトショップで買いますか?

もちろん「買うよ」という方もいると思うけど、多くの方がスポーツ量販店やアウトレットのスポーツブランドで購入されていると思う。スポーツ専門店であれば品揃えの幅も広いし、そもそもスポーツブランドの価格帯はかなり抑えめ。ランニングパンツなんて3000円代から購入出来る。そして素材はグローバル展開の強みを活かして、生地メーカーと独自開発している。

対して小規模ブランドでは使える素材も限られ、デザイン性を加えれば工程も複雑になり、ロットの関係もあってスポーツブランドと同じ価格帯でアイテムを販売するのは厳しいのではないだろうか(大手アパレルに勤めたことがないのでわかりませんよ)。
それ以前の大前提として、機能性を持たないスポーツウェア風でスポーツブランドを名乗るのは論外。スポーツブランドはスポーツが出来てナンボ。

上記をふまえて状況を想像すると、「ファッションにはある程度の予算はかけても、スポーツはそうではない」。つまり、セパレートなのだ。

その理由を個人的に予想すると

「スポーツウェアは消耗品なので、安いもので充分」
「スポーツする時にデザインまで気にかけない」
「そもそもデザイン性のあるスポーツウェアの存在を知らない」

というところだと思う。

加えて、スポーツウェアの汎用性の低さも要因のひとつとして考えられる。スポーツウェアはスポーツにしか使えないものが多い(スニーカー除く)。

例えばアウトドアウェアだったら、登山以外にもデイリーやフェス、キャンプなどに使うことが出来る。日本のカジュアル文化の歴史をアウトドアブランドが支えていることからも、アウトドアブランドのファッションとの相性の良さが伺い知れる(Patagonia、TNF、Red Wing、Dannerなど、昔からデイリーに使われるアウトドアブランドは多い)。

では、普段あなたが走る際に着るトップスやランニングパンツやウィンドシェルをデイリーウェアとして使いますか?
原色、化繊系の光沢感のある素材、スポーツウェアは普段着との相性がよいとは決して言えない。汎用性が低いのだから、安いもので充分という考え方があるのも当然。

だから「デザイン性のあるスポーツウェア」というのは、スポーツやファッションの各々のマーケットの大きさに比べて、実はかなりニッチな存在なのだ。そのカテゴリーが存在すると思っていない人も多いのではないだろうか。

そこを成功させるには、マーケットがあるとかないとか言う前に、まず「デザイン性のあるスポーツウェアは楽しいですよ」という価値観を世の中に生み出さないといけない。加えてスポーツとファッション(デイリー)の境目をなくし汎用性を高め、その小さい隙間を広げていくことで、マーケットが初めて生まれるのだと思う。

普通に考えても一長一短で成功する話ではなく、「いやいや、うちは成功してウハウハですよ」というところがあれば是非ともお話をお伺いしたいくらい。

ちょっとまとまりがなくなってしまったけど、要するにMountain Martial Artsが今やっていることは、新たな価値観を生み出し、デイリーとスポーツをシームレスにすること。その先に広がりがあれば新たなマーケットが作られ、そのマーケットが幻であれば“さようなら”。

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ブランドをスタートして3年目。少しずつではあるけど、MMAを着て走るランナーは日本中で増えてきている。そして、走らないお客様も増えつつあり(スポーツで有効な機能性がデイリーで有効でないはずがない)、日に日にシームレスになっている手応えがある。その実感が前進するエネルギー。

その輪が世界中に広がるといいな。20年後が楽しみ。

※ ごめんなさい。画像はInstagram #MountainMartialArtsから勝手にお借りしました。